香取市との地域連携プロジェクトは、2012年度に開始して今年で4年目となりました。千葉県香取市の佐原は、古くから水郷の街として栄え、小野川沿いの歴史的建造物をはじめ、風光明媚な街並みは「江戸優り」と謳われてきました。本プロジェクト研究では、佐原の街が今後100年、200年と続いていけるよう、市民協働型のまちづくりと情報発信を推進します。

昨年2014年度は、『佐原ソーシャルライブラリ』の開発を含め、佐原マッピングパーティーやハッカソンなど、様々な活動がありましたので、以下に成果を報告いたします。

佐原ソーシャルライブラリ

佐原の街の魅力を蓄積し発信していくWebメディア『佐原ソーシャルライブラリ』を開発しています(図1)。佐原ソーシャルライブラリは、市民活動団体の活動、地域住民や来街者の声、大学での地域連携の取り組みなどを蓄積・整理・成長しながら、地域社会との絆づくりを目指しています。

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図1.佐原ソーシャルライブラリ

佐原マッピングパーティー

2014年度の主要な活動として、佐原マッピングパーティー(6/21)佐原ハッカソン(10/9~11)がありました。

マッピングパーティーとは、OpenStreetMap(OSM;「自由な地図」を「みんなの手」で作る世界規模のプロジェクトのこと)を作るためのマッピングや交流のための活動です。OSMは、誰でも自由に編集して、自由に利用することができます。

今回は、元祖マッパー「伊能忠敬」縁の地である千葉県香取市佐原地域にて、フィールドワークを実施して地図を作成しました。佐原は、江戸時代からの歴史ある建造物が数多く残されており、歴史情緒あふれる町並みを堪能できる地です。佐原地域のOSMはあまり開拓が進んでおらず、建物の情報があまり記載されていません。マッピングパーティーにより、佐原の地図を充実させたいと考え企画しました。
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図2.佐原マッピングパーティー1

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図3.佐原マッピングパーティー2

夏祭りが開催される八坂神社周辺のOSM情報を収集・登録しました。OSM情報を活動した「佐原山車マップ」を開発し、夏祭りにて提供しました(図4)。

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図4.佐原山車マップ

佐原山車マップは、ある程度の山車の経路情報は確認できるのですが、リアルタイムな山車の位置表示は不可能でした。そのため、10台以上の山車が曳き廻される状況ですと、効率的に目的の山車を発見できないという課題がありました。

佐原ハッカソン

上記課題を解決できるシステム開発を行うため、10月9日(木)~11日(土)に佐原ハッカソンを開催しました。ハッカソンは、2泊3日の合宿形式で、事前に学内でアイデアソンを行いました。

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図5.佐原ハッカソン1

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図6.佐原ハッカソン2

ハッカソンの結果、佐原ハンターズさわら飲み歩きマップの2つのサービスをリリースできました。

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図7.佐原ハンターズ

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図8.さわら飲み歩きマップ

ハッカソンでは、ある程度の成果物を作ることができ、参加した学生のスキル向上を確認することができました。ただし、広報期間が短かったこともあり、サービスの利用者は少なかったようです。ここでの反省点を踏まえ、2015年度の活動を進めたいと思います。

成果物

2014年度の成果物は、以下のとおりです。

上記のサービスは、いずれも大祭期間中の利用に限定したものであるため、現在は情報公開用としています。その他、参考資料は以下のとおりです。

<参考資料>

投稿者プロフィール

河野 義広
東京情報大学 システム開発コース 助教
ソーシャルメディアの社会的影響について研究中しています。「ソーシャルメディアをいかに人生に活かすか!」をテーマに、社会的課題をITで解決するべく日々奮闘中です。

個人ブログ:http://www.yoshihirokawano.com/